今日はかねてから興味のあったピチャン,または鄯善(Shanshan/シャンシャン)に行こうと予定していました.
実は昨日の晩,一緒に話していた中国人たちに車をレンタルして観光地を巡るツアーに誘われていたのですが,シャンシャンに行きたかったので(というのと,どう少なく見積もっても1人300元以上かかりそうだったので)断ったのでした.
シャンシャン,という名前の時点でだいぶ胡散臭いですが,実際には小さな村で砂漠に入れる公園がある場所です.
砂漠,といってもトルファンなどで散々見たような岩肌むき出しのゴツゴツした物ではなく,日本人が想像しがちな砂丘の広がる砂漠だそうです.
ドゥンファンに行けば同じような公園はありますが,そちらと比べシャンシャンは余り観光地化されておらず,人もほとんどいないんだとか.
楽しみですね!
朝,トルファンバスターミナルへ.
切符売り場の列がなかなか進まないと思ったら,男の子が子供料金か大人料金かでもめてる様子.中国の子供大人の基準は背の高さとなっており,背の高さが一定範囲に収まると子供という扱いになる.その子は最初基準の高さをオーバしていたのですが,髪の毛をつぶし,靴を脱いで何とか基準内に収まり子供料金となったのでした.
朝のほのぼの?する光景.
・・・というわけで,切符が買えるかちょっと不安でしたが無事切符を購入できました.しかも20分待ち,というスムースな感じ.素晴らしい.
ちなみにトルファン→シャンシャンで23元でした.ちょっと高い.
またマイクロバス.
バスは定刻発車.途中火焔山という植物の一切生えていない岩山の横を通過する.
約一時間半後,バスはシャンシャンのバスターミナルに到着.
ターミナルから出るのに身分チェックがある.面倒だな..
・・・とここでパスポートを見せると,係員がちょっとこっち来いとジェスチャーで合図してきました.まあこういった所で外国人は人民とは別の用紙で登録が必要,みたいな状況は(こと中国では)珍しい話でもないので,普通に付いて行ったのでした.
このときその係員は何か含み笑いをしたようでしたが,その時はさして気にしていませんでした.
その後,公安が常駐する警備室のようなところに行き,警官はパスポート情報を何かの台帳に記入し始めました.
驚いたのは警官が全員ウイグル人だったこと.公安って全員が漢民族だと思っていたので,びっくりしました.他人種も警官になれるんだ-!
例によってパスポートにたくさん押してあるスタンプやビザをひとしきり鑑賞し終わり,コンニチハーなど知ってる日本語披露会が終了したところで,手続き終了か・・・ と思いきや,さらに表へ出ろと言ってきます.
どんだけ面倒なんだよ・・・と思い外に出ると,何と公安のパトカーが待機しており乗るよう指示されています.
・・・さすがに意味不明,,しかし英語はおろか中国語でさえどの程度通じるか分らない相手にこちらの行ってる内容が通じるはずもなく・・・ 向こうはウイグル語と片言の普通話で話しかけてきますが全く意味不明でした.
ここまで来るともう抵抗しても時既に遅しと言うことで,おとなしくパトカーに乗り付いて行くことに.到着したのは派出所で,ここでバスターミナルに常駐していた奴らよりはちょっと位の高そうな人にバトンタッチしたのでした.
しかし彼らも僕を解放する権限はないようで,再度パトカーに乗せられ,公安局まで連行されたのでした.
まさかバスを降りただけで連行されるとは・・・ さすがにこちらも違法なことをしているわけではないし,最悪でも何かの手数料(と言う名の賄賂)くらいで解放されるとは思っていたのですが,こうも連れ回されるとさすがにうんざりしてきました.ウイグル人の暇つぶしにまんまと嵌ってしまうとはなぁ・・・
まあ中国にはさすがにニセ公安とかはいなそうなので,そこは安心でした.
結局最終的に公安局の中の入出境事務所に連行された挙げ句,派出所から来た警官と入出境担当のオバちゃんがひとしきりモメた後,奥からアサルトライフルを構えたガタイの良い武装警官が現れ僕の目の前にやって来ました.
さすがに「何が起きてるんだ!?」とこちらも不審がると,武装警官の兄ちゃんは英語で話しかけてきたのでした.
ふぅ・・・助かった..! これでようやく彼らとマトモなコミュニケーションが取れるようになり,泊まっている宿やシャンシャンに来た理由などを聞かれたので,隠す理由もないので全部正直に話しました.
ひとしきり雑談が終了すると,武装兄ちゃんはもしシャンシャンで泊まるなら外国人を受け入れる宿じゃないとダメだ,とかシャンシャン観光は1日じゃ回れないぞ! などとありがたいアドバイスを頂いたあと,無事解放となりました.
話の分かる人がいて良かった・・・ 武装兄ちゃんはとても優しくて「困ったことがあったらいつでもここに来いよ!」と言ってくれました.
・・・ ヽ(`Д´)ノもう来ねえよ!
***
さて,公安に連行され良かったことと言えば,公安局が沙山公園(砂漠の公園)から歩いて10分くらいの至近距離にあったこと.警官が場所を教えてくれたので,そちらに向かい歩くとなにやら大がかりな門が見えてきました.
近づいてみると,よく見る中国の観光地的な場所に到着しました.
おいおい話が違うぞ! メッチャ観光地化されてるじゃんか! まあ僕が見た情報もよく考えると5年くらい前の情報などが多く,ここ数年で開発が進んだのでしょう.まあ僕が知ってるくらいだから,さすがに人民にもすぐ見つかったのでしょうね.
入場料は60元.高いんだけど,なんか他の観光地でマヒしてしまい安く感じてしまった..
入場すると,バスみたいなのが停まっており,これで砂漠の入り口までつれてってくれました.
ついた
観光地化されているのはここまで.後はこの門をくぐるとただ砂漠が広がっているだけでした.
人民のみなさんは頑張って砂漠を登る人もいましたが,多くの人はお高いバギーレンタルで回るか,門の周辺を見て戻る人が多いようでした.
というか観光地化されているとはいえ,平日と言うこともあってか人はそんなに多くなく,僕が行ったときは20~30人くらいでした.
砂丘の頂上まで行くと良い眺め,とのことなので,僕もチャレンジしてみることに.
結構な急斜面を登っていくのですが,とにかく砂に足を取られたり,滑ったりしてなかなか前に進めない.
しかも僕はサンダルで来ていたので,直射日光を浴びた超高温の砂がどんどん足に入ってくる!!
これは本当に辛かった・・・ 余りに熱いので火傷しかけました.皆さんもお気を付けて! 仕方ないので休みながら進み,時には手も使って四つん這いになりながら砂丘を登っていきました.
丘の頂上?に何とか到着.
シャンシャンの中心部をのぞむ
意外と大きな村,というかもう町だな.
延々と砂漠が広がっている
もうひとつチャイナっぽいのは,あちこちにゴミが落ちている.
中国人のマナー悪い,というのもありますが,60元も高い入場料払ってるんだから掃除しろよ! て思いますけどね.
ゴミを放置したらさらに捨てる人が増えて,どんどんゴミだらけになっていきますよ.
ひとしきり砂漠鑑賞を楽しんだ後,丘を下っていく.
通ってきた足跡.この跡もすぐ風で消えていくんだろうな・・
丘の下からの眺め.村の近くは植物も一部生えている.
さて,満足したので行きと同様バスに乗って入り口へ.
・・・と思ったら入り口から徒歩5分以上歩いた箇所で下車されられる.
何だよ! と思ったら休憩所やお土産屋があるようだ.
これだからチャイナは・・・!
仕方ないので,それらには目もくれず,半分火傷した足を引きずりながら入り口まで歩いたのでした.
***
帰りのバスも首尾良くチケットを入手でき,20分待ちくらいでバスに乗車できた.
しかしこのバス,エアコンが壊れて効かない上,シャンシャン周辺の集落に客を降ろしていくためゆっくりと進む..暑い・・・
そしてトルファンへの高速道路に入ろうか,と言うところで停まってしまった. 一体何が・・・? 誰かをピックアップするんだろうか..
僕を含め乗客は3人しかいなかったが,30分以上その場で待たされることに.運転手のおっちゃんが冷たい水を買ってきてくれた.そんな心遣いにほっこりしていると,別のバスが来て乗り換えろ,という.
乗客が少ないからまとめていくってことなんだろうか.とりあえず帰れそうで良かった.
結局トルファンに着いたのは18時半すぎ.15:45発のバスなので,1.5時間の道のりを3時間近く掛けてきたことに.まあ水くれたしいっか.
バスを降りると,バスターミナルの前でバザーをやっている.テロが頻発する地域でこういう人が密集する場所には近づかない,というのが鉄則ですが,余りに楽しそうなので,少し入ってみることにしました.
すげー! 中国の市場とは趣が似ているようで全然違う.屋台街とかマーケット,というよりバザー.そうバザーですよ!
ナンみたいな食べ物から,野菜果物,香辛料はもちろん,オモチャや電化製品に至るまで本当に様々な物がたくさん売っている.
活気もあってとっても楽しかった.
宿に戻る途中,青年路,という怪しげな通りを通る.
長い通りに,ただずっとブドウが植えられている,本当にそれだけの通り.多分"中国"が作った通りなんだろうね.
夕方.
きょうのばんごはん
どうしても昨日の拌麺が忘れられず,別の店で麺を頼んでみることに.
すると,何か全然違う物が出てきたw メン,てのは合ってるけどね・・・
何か2種類の麺が入った,どちらかというと冷やし中華に(全然違うけど)近い料理.
謎のお茶も出てきた.
なんと驚くべきは↑の料理7元.安い!!
・・・ということで,まだ少しお腹すいていたのと,昨日の拌麺がもう一度食べたいと言うことで,面倒なので同じ店に入ってみました.
今日は家常拌麺というメニューを頼んでみた.家+常,という響き的に家庭でいつも作るような物が出てくるんだろうか.
うん,これこれ! この麺だよ! やっぱり美味い.
混ぜる汁の方は,今日のやつはそこまで油ぽくなく,トマトスープみたいな感じでした.
なんかスーパー健康的で大丈夫か俺!?
まあ明日また長時間鉄道移動で不健康になるだろうけどね.
***
いやあ新疆いいところじゃないですか.いろいろあったけどw
まあ,まだ後4日もいるので感想が変わるかも知れませんけどね!
宿でウルムチ出身の人が新疆の見所を色々教えてくれました.本当に自然豊かで綺麗な場所がたくさん.もっと時間を取ってまた来てみたいなぁ..と思いました.
ちなみに彼はカナダ留学経験があり英語がペラペラで,半沢直樹をみて勉強したという日本語も少し話せます.ドラマを見て勉強した,というだけあり,タメ語表現を多く使ってました.普通に日本語勉強すると敬語から入っちゃうもんね.ちょっと新鮮.
彼はチベットは有名だけど新疆も良いところ一杯あるのに・・・ と嘆いてました.ウイグル,と言うと日本ではテロ多発地域というイメージしかないですが,手つかずの自然がたくさんあるんですよね(砂漠だけじゃないのよ)
まあでも今のままで良いんじゃない? とも思いますけどね.チベットみたいに観光客であふれかえるような場所になってしまってもねえ・・・
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