2015年9月29日火曜日

ラストマイル 僕はユーロスター [フランス→イギリス 隧道国境越え]

Paris -> London
Paris -> London

2015.09.29




ついにロンドン入りの日がやってきました.それは最終目的地へ到達すると同時に,僕が(多分)世界一嫌いなUKと言う国へ初訪問することをも意味します.

・・・・・・楽しみですね..(テンション低め)


この旅を計画している時期.僕はずっと「最後はユーロスターで華々しくロンドンへ舞い降りるんだ!」と考えていました.ユーロスターとはパリからロンドンまでを結ぶ高速鉄道で,言ってしまえば欧州版新幹線です.パリとロンドンを脅威の2時間半で結ぶ夢の列車なのです.

当然のごとく,このユーロスターに乗る予定で何気なくiPhoneで時刻や切符の買い方を調べていたのですが,意外な難問に遭遇します.


た・・・高い!!! 高すぎる!!!

最も安い朝一の便でさえ,2万円以上! まともな時間帯だとまさかの軒並み3万円台!!
こんなん買えるかアホが!!!

しかし.

世の中捨てる神あれば拾う神あり.
OUIBUSというバス会社が,パリからロンドン中心部までなんと破格の29ユーロ(約4050JPY)という値段で,国際バスを運行しているのです!!

やすい!! (^o^) (^o^)

てか安すぎるw 中国→パキスタン間の国際バスより安いしw
逆に不安だけど・・・ まあヨーロッパならっ!

というわけで即決でバスで行くことにしたのでした.

嗚呼..さらば..憧れのユーロスター・・・

やはり僕はスターにはなれなかったね・・・
乗り合いバスの隅っこで食パンでも貪りながら国境越えするのがお似合いなのさ・・・
ベイベー ・・・


***


朝.パリのホステルで一番良かったのは,朝飯食い放題.まあ食い放題と言ってもパンとコーヒーしかないのですが.
しかしこのクロワッサンとバケット,めちゃめちゃ美味い!


普通の人はだいたいクロワッサン1つとバケット3切れくらいを食べているようでしたが,僕はクロワッサン3つバケット10きれと,普通の人の3倍食べてました.

今日はバスでロンドンまで長距離移動の日.腹ごしらえは最重要課題ですからね!
バスは朝9時発でロンドン着が17時半.長丁場を乗り切るためにはこれも仕方ありません.
(昨日も「ルーブルは超巨大!」と言い訳して同じくらいの量食べました.)

え? 途中の休憩で何か買えって? そんな金ねーよ!


地下鉄に乗り,バス乗り場最寄りのBercy駅へ到着.


バス乗り場.


まさかの二階建てバスで,またしても隣誰もいない状態で快適に座ったのでした.


バスの外では発車ギリギリまで台湾人女性とインド人男性が熱い抱擁とキスを交わしています.
すげー組み合わせのカップルだな・・・ 初めて見た..
台湾人の女の子はこのバスでロンドンに向かうようです.

バスの客層を見ると大半が黒人やアジア系などでした.ヨーロピアンはどうやってロンドンまで行くのでしょう? ふしぎ・・・
・・・あ! ユーロスターか!w


バスは珍しく定刻に発車!
・・・と思ったらバスを追いかけるように2人の英国人女子学生が走って追いかけてきました.
ちゃんと時間通りに来いよ!!
どうしようもない客ばっかだな・・・
(あ,私もですね!)


のどかなフランス田舎の風景を行く





***


寝てたりボーッとしてたら,イミグレーションに着いてました.時刻は既に14時すぎ.
フランス側は出国だけだと思っていたのですが,出国審査は特になく,UKの入国審査だけがありました.
なんとフランス側で行われるのか・・・ 知らなかった..



入国審査を無事通過.
フランス側ユーロトンネル駅.ここで乗車時間まで待ちます.
UKとフランスを結ぶトンネルは,車は通る道はなく,車を乗せた列車が行き来する,と言う形になっています.
フェリーの列車版,という感じでしょうか.世界でもかなり珍しい物と思います.
僕らは16時過ぎの便のようです.約1時間の休憩.






16時前.全員バスに再集合し,列車にバスごと乗り込みます.


こんな感じのごつい列車に乗り込みます.


いよいよ乗車.





列車内の様子




乗車完了.


残念ながら人数が多いのでバスから降りることは許されませんでした.
まあ降りた所でどこにも行けないんですがw

外の様子は全く分からないのですが,あるのは小さな窓だけ.


その窓からの景色がふいに動き始めました.
・・・いよいよ出発です.

最後の国,UKに向けて列車は進み始めました.

しかし何でしょう.とても不思議な感覚です.
僕らはバスに乗っていて,車窓は全く動かないのですが,でも動いている..
幸いあまり揺れませんでしたが,揺れがひどかったら確実に酔いますね..


小窓を眺めていると,スーと窓の外が暗くなります.
どうやらユーロトンネルに入ったようです.


車内は英国人女子学生のおしゃべりがたまに聞こえるだけで,本当に静か.
不思議な気分でドーバー海峡を渡っていました.

何度となくバスに乗ってきましたが,長距離バスもこれでラスト.でもそんな実感が全く湧きません.ロンドンについて,また数日後バスでどこかに向かうのではないか・・・
頭ではそうではないと理解していても,心と体が全く付いてきていない,そんな状態でした.

本当に旅は終わってしまうんだろうか・・・ 終われるんだろうか・・・


***


気づくと再び小窓から明るい光が差し込んでいました.
トンネルを抜け,UKに上陸です.

まさに初めて青函トンネルを抜け北海道に行った,あのときの何とも言えない感動をまた味わいました.

ついに来たんだ・・・ ついに彼の地,グレートブリテン島に上陸です!
てかまだ水没してなかったんだ,この島.
列車の扉が開き,明るい光が差し込みます.


UK側のステーション




駅を降りると,すぐに高速道路が繋がっており,あとはドーバーからロンドンへ向けて走るだけ.


思えばはじめの1歩は,シンガポールからバスでジョホールバルへ向かい,マレー鉄道でKLへ北上するところから始まったのでした.
しかし初めがあれば終わりもある・・・
今まさに,おわりの1歩を着地させようとしているのでした.

UKの田舎



田舎の景色が途絶え,ふいに家並みが現れ始めます.
ロンドンに到着です.




ついた.




ロンドンはVictoriaコーチターミナルに到着です.
てかコーチって何だよ! バスって言え-!!


***


・・・寒い.突き刺すように寒い.
これがロンドンか・・・ とにかく寒いのでまずは宿に向かいます.

Victoria駅.


旅で出会った誰かが言ってました.

「ロンドンはみんな歩くのが速い」

・・・本当でした.

東京だってみんな歩くの速いほうだと思うので,大して変わらんだろ! と思ってました.
甘かった..
彼らは東京人の1.5倍くらいのスピードで歩いていました. まあ背が高くて歩幅が大きいからだと思いますが.
おかげでスーツケースを引いている僕は色々な人に追突されながら,やっとの思いで地下鉄乗り場に向かったのでした.


切符売り場で10分近く並び,やっと券売機にたどり着きます.
ここはチャイナかよ・・・

しかし驚いたのは券売機で券を買おうとしたときです.
僕が片道初乗りの切符を買おうとすると,画面に「£ 4.80」と言う文字が.
ん? 4.8ポンドというと,だいたい900円.
何か操作を間違えたかな・・・? 1日乗り放題券とか選んじゃったかな?

宿の最寄り駅は所謂ZONE1という区画にあり,Victoria駅から初乗り(同ZONE)料金で行ける距離です.
その初乗り料金が900円というのはさすがにいくら物価高のロンドンとはいえおかしいので,何度か操作をやり直していると,可愛い女性のスタッフが近づいてきて助けてくれたのでした.
しかし僕が「私はただZONE1 の Single tripの切符が買いたいのですが・・・」というと,彼女はきわめて申し訳なさそうに,こう言うのでした.


「ごめんなさい,Single Tripの値段は4.8からなのよ.」





地下鉄の初乗りが900円!? 頭おかしいだろ・・・!!
一体何がどう転んで逆立ちしてバク転したらそんな金額になるんだ??
これまで色んな常識外れな物を見ましたが,正直ワタシこの旅で一番驚いたアルよ!

もう早くGB島沈め-!! ロンドンだけでも沈めぇぇ-!!!

え? 今沈んだらおまえも巻き添えだって?
大丈夫 俺だけメタボで浮かんでやるわ!!!
だてにこっちはイタリアでピザ食ってねーんだよ!!!

(ちなみに交通カードを買うと割引になりますが,それでもZone1通勤時は2.8ポンド=530JPYです)


ただでさえ嫌いなUKがもっと嫌いになりました.

超高額地下鉄の切符


ZONE1の超立地にある安宿.
まさかの無料Wifiなし..




ロンドンの風当たりは予想以上に冷たい物だったのでした・・・

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