朝.僕は寒い中シャングリラの市街地を歩いていました.
目指すはバスターミナル.本当は路線バスで行きたかったのですが,まだ運行しておらずみんなタクシーを使っていたため,僕は途中バスが来ることを期待しつつ,バスと同じルートをたどって歩いてみました.
・・・結果バス運行開始よりバスターミナル到着が早く,全路徒歩で来てしまいましたw
まともにバスに乗れるのは,路線や方向にも因るとは思いますが8時頃からだと思います.
バスターミナルに行った目的は他でもありません.今日の大理行きのチケットを明日に変えてもらう,というミッションを達成するためです.森林公園に行かない,となったとたん102元のチケットが惜しくなったのです.
僕の中国語推測が正しければ,時間や行き先の変更は「券面に表示されているバスの出発前」までに行え,と記載されている.つまり当日でも出発までに変更手続きをすればいいはずですね!
僕のバスは9時30分発.現在8時過ぎ.あと1時間以上も発車まである!
この切符を明日の物に変えてくれ,と調べた中国語で紙に書き,切符売り場へ持って行くと,「調度室」と向こうも書いて渡してきた.
しかし調度室がなかなか見つからない.他の人に聞くと,「インサイド!」と教えてくれた.・・・が,何のインサイドかよく分からん.
色んな事務室みたいな所に押しかけるが,全然関係ない場所ばかり.
結局正解はバスターミナルの「アウトサイド」で,バスが出入りする門の近くにありました.シャングリラのバスターミナルでチケットの券面記載事項変更を行う場合は,バス出入り門の脇にある「調度室」に行きましょう 笑
さて,天気が良くなってきたので,バスで古城まで戻り,百鶏寺を散策することにしました.
バイジ寺(百鶏寺/百鸡寺/100 Chicken temple)は古城裏手の丘の上にあるチベット仏教の寺で,古城からもその姿を確認できます.
◆ 百鶏寺への行き方
さて,この百鶏寺へ行くのが結構難しく,僕は相当迷いました.
単に分りづらい,というのもありますが,町中が復興建設中で道が通れなかったり,あるべき案内が無かったりする.実際,百鶏寺への案内表示などは1つも見つかりませんでした.
これも単に2015年7月時点の情報でしかないですが,↓の脇道から入るとスムースに行けると思います.
え!? ここが何処か分らないだって!? ですよねーw
別にこの道から入らなくても良いですが,重要なのは↓の位置関係.
この写真は百鶏寺の丘を少し登った所から,振り返って登ってきた方を向いて撮った写真ですが,このへんまで来れれば後は丘の頂上を目指すだけなので簡単です.
写真ではわかりずらいかもしれませんが,奥に見えるのが亀山公園.その手前にあるのが廃墟となっている寺っぽい建物です.
百鶏寺の丘はその廃墟寺の裏手にちょうどあります.ただ廃墟寺周辺は復興作業中で資材置き場のようになっており,現状直接通ってこれません.てかこの廃墟寺もいつ取り壊されるか分りません.
まあ亀山公園の大仏寺やマニ車が無くなることは無いと思うので,これらとの位置関係を覚えておけば問題ないかと思います.
丘を登っていきます.
まだ朝だからか,観光客はほぼいなく地元の方々が参拝にたくさん来ていました.
丘の上まで着くとそれっぽい建物が.
たくさんあるマニ車を1つずつ回す.
松賛林寺でもそうだったが,色々な箇所で必ず一周回れるように出来ており,それらは時計回りに回る,というルールのようです.
百鶏寺も寺を囲むように道があり,みんな時計回りにその道を進みます.
丘の上からの絶景
晴天で眺めが良かったこともありますが,多くの参拝客に囲まれ心も落ち着き,気持ちよく朝の散歩をすることが出来ました.
途中,参拝に来たおばちゃんが「サシダレー」と声をかけてきたので戸惑っていると,サシダレー言ったらサシダレーて返すのよ,と教えてくれました.
◆ 松賛林寺への行き方
さて天気も良かったので,昨日雨でロクに回らなかった松賛林寺へリベンジに行くことにしました.
松賛林寺へ行くのは昨日のエントリで書いたように極めて簡単で,古城の月光広場近くのバス乗り場(昨日のエントリ参照)か,古城北門(派出所前停留所)から3路のバスに乗るだけ.以上.
しかし問題は入場料.さすがに昨日に引き続き今日も115元払うのは無いわー.と思っていましたが「検札所をすり抜ければ無料で入れるのでは」とかいてある日本語のブログが複数ありました.ただそれが成功した例が見つけられなかったので,やってみることにしました.
結論から言えば,2015年7月6日現在,確かに「検札所を迂回し徒歩で松賛林寺に向かう」事が可能でした.しかしその道のりは容易な物ではなく,決しておすすめは出来ません.
ただ,一応自分がやった手前,他人に「やるな」とは言えないので,ある程度の情報は書いておきます.
前提知識として,地理としては以下のようになっています.
青の線は3路のバスで,南の市街地からやってきて,赤で示したチケットオフィスで一旦停止し観光客を全員降ろします.その後チケットオフィスを抜けて北上し,松賛林寺を目指します.
チケットオフィスは特警などが待機しており,事前情報通り確かに容易にすり抜けられそうにありませんでした.
しかし上の図の緑線のように迂回できれば,あとは北に歩いて行けば松賛林寺に検札無しに辿り着けるはずです.
実際に試した手順としては,まず3路のバスをチケットオフィスより前の場所で降ります.これはもうGPSを頼りに何とかするしかありません.
次に,地図の緑線の始点となる道を右折します.
後は適当な箇所で北上し,川を越え,川より北の道に合流出来ればOKです.
これは簡単に書きましたが難所続きでした.まず川を越える前ですが,特に道などはなく,荒れ地なのか何かの建設予定地なのか誰かの畑なのか,よく分からない更地に適当に敷かれたあぜ道を北上します.
すると川に至る少し前くらい(チケットオフィスの一角から右上にチョロッと出てる道です)に現在建設中の建物がいくつか現れ行く手を阻みます.建物はほぼ完成していましたが,建物同士の隙間を抜け,突破できました.(太ってる人は多分抜けられません.注意!) 隙間には大量のゴミや人糞があり,臭いに耐えながら進みました.
建物を越えると何か原っぱのような箇所にでますが,ここでさらに北に進むと川が行く手を阻みます.川,というか湿地帯のようになっており,何らかの植物が多く生えてました.何とか越えられる場所を探しましたが,なかなか見つからず,ようやく誰かの家の裏と思われる場所に細い丸太がかかっているのを発見.折れてもおかしくない丸太だし,バランスを崩したらドロ沼にドボンなので少し悩みましたが,ここまで来て引き返すのも大変な苦労なので,果敢にも挑みました.
幸い沼に落ちることなく渡りきりましたが,今思えばiPhoneの電源くらい切っておいた方が良かったかも.自分のバランス感覚を信じましょう.まあ浅いし流れのない川なので落ちても多分死にはしません.
ここからはこっそり民家を突っ切り,道に合流.途中馬の糞か何かを踏んだようで靴が悲惨なことになっていましたが,無事チケット無しで突破できました.
さて,先ほど「おすすめ出来ない」といいましたが,それは↑に書いた苦労が理由ではなく,高台から今まで通ってきた道のりを見て感じた事実からです.
さっき「原っぱのような箇所」と書きましたが,上から見ると牛や馬が放牧されており,誰かの牧場のようでした.つまり私有地を盛大に通過して来てしまったようです.
まあ,のどかな場所だし明確な仕切りがあるわけでもないので,実践する場合は「松賛林寺を携帯電話の地図を頼りに目指していたが迷ってしまった.助けてくれ.」と中国語で言えるよう,筆談の準備を入念にして挑んでください.
合流後は歩いて松賛林寺を目指しますが,これは途中景色の良いポイントがたくさんあり,入場料払う払わないに関わらず(晴れていれば)絶対歩いて行くべき! と思いました.バスは帰りだけ乗れば良いのです.
そんなに遠くありません.普通に歩けば30分もかからないような距離だし,写真を撮ったり,湖を見るため桟橋に出たり,と回り道をしても1時間あれば十分に松賛林寺へ到達できます.
気づけば僕も大量に写真撮っていたので,いくつか載せておきます.
思えば僕がこのシャングリラに初めて興味を持ったのは,数年前に今回の旅のルートを調べ始めた時に,とあるブログに載っていた松賛林寺の写真がきっかけでした.その何とも言えない神秘的な外観や,未だかつて見たことない様式の建造物の数々に心を奪われていました.
今回ネパール地震などの影響で,予定外ながら来ましたが,実際来ることが出来て本当に良かった.というか1泊延長して本当に良かった.昨日は雨で全然回れなかったからね.
中国の寺院とは違う,独特な風格がある.
松賛林寺の入場料115元は高いのか,という話ですが,実際今日くまなく回ってみて115元の価値は十分にあると感じました.チケットオフィスから歩いて寺や池の景色を楽しむところから始まり,チベット仏教の独特な寺の外観や周辺の建物群,御堂内部の豪快な壁画・観音像の数々,寺の屋上からの眺め,など見所はたくさんあります.また中国語ですが,チケットを買っていればガイドも聞けます.
これから行く人は,入場料高いですがその価値はあるし,復興資金に充てられると信じて是非払ってあげてください.
ただ,僕みたいに何度でも行きたい! という人は無料突破を試してみるのもアリかとは思います.何かあっても私は責任を取りませんので,それを合意の上お試し下さい.
なお,松賛林寺正門で検札が一応ありますが,テキトーだし寺に入る入り口はたくさんあるので,そこは問題無いものと思います.
***
松賛林寺を回っていると,同じ宿に泊まっているイケメン香港ボーイ(以下JMさん)と遭遇.昨日彼もトランプに参加していたのですぐ分った.
丁度2人とも宿に戻ろうか,という所だったので一緒に帰ることに.他にも同じ宿の中国人が何人かいましたが,彼らはバスターミナルで降りて別の街へ旅立っていきました.
彼はカタコトの英語が話せましたが,通じないことも多く,主にお互いのiPhoneの翻訳と筆談で話していました.彼は日本語を勉強したいと思っているらしく,簡単な表現は話せました.
古城まで戻り,お互いお腹がすいていたのでJMさんがシャングリラ滞在中よく行っている,というレストランで昼食.
炒飯が大量に出てきた.JMさんは常連だからサービスのつもりなのか,ギャグみたいな量出てきたw
炒飯を食べ終わる(JMさんは半分近く残したが)と,シャングリラ特産だというお茶を入れてくれました.これがまた超うまい.スゴイ落ち着く味.
俺はこれから香港に向かうけど何処に行けばいい!? と聞くと,I have no idea. と返ってきた.マジカヨ
でも夜景がみたい,と言うと写真を見せてくれたり,降りるべき地下鉄の駅を教えてくれたりしました.他にも香港では「ありがとう」は「シエシエ」じゃなくて「ゴンサイ」て言うんだよ(初耳!)とか,雲南とは全然違う料理の話とか,色々教えてくれたのでした.
彼はインターネット系メディアの会社につとめていて広州で働いていたそうですが,1年間休みを取って世界中色々な所を旅するらしい.いいなー
デザインが専門らしいので,こういう旅行とかネタ探しとしても良いのかも.
ピアノを弾くのがうまくて宿で披露してくれました.
日本の海賊王が好きだ,と言うので「何の話だ!?」と一瞬思ったが,ONE PIECEのことでした.海賊王という名前で放映しているらしい.
ONE PIECEってただのフジテレビのごり押しコンテンツだと思ってましたが,実際には世界中で超有名.今回の旅行に限らず,海外旅行で出会った外人に「Japan」というと「オー!ワンピース! どのキャラクター好き?」と返って来ます.ワンピース読んでない,と言うと「何故!?日本人なのに!?」と言ってくる.どうやら外国人の日本のイメージはワンピースなんですね.
***
宿にかえってシャワーを浴びた後,珈琲プーアル茶とかいうキワモノ茶を飲んでみることに.
味は普通のプーアル茶との違いが分からないレベル.どの辺が珈琲なんだ? 確かに色は黒っぽかった気はするが・・・
珈琲プーアル茶を飲んでいると,TNさん達が現れました.
あれ? デチェン方面に向かったんじゃないの? と聞くと,今日は寝坊してしまって遅くなったので諦めたんだとか.
天気も良かったので折角だから森林公園いってみようか,と言う話になって行ってみたとのこと.
なるほど.
今日の朝百鶏寺を見た後,次の選択肢として 宿に帰ってシャワー浴びてゆっくりする or 松賛林寺のチケットオフィス突破トライアルする,の二択が頭の中にあって実際には後者を選んだわけです.でも前者を選んでいれば森林公園に行くという未来があったかも知れなかったんだな.
世の中何がどう起きるのか分らないものですね.日々の何気ない選択肢が運命を左右する・・・なんかギャルゲーみたい.
まあ結果としてJMさんと話せたし,松賛林寺も楽しかったから個人的には正解だった気はするけどね.
ちなみに森林公園はどうだった,と聞いてみると「天気次第だな」だって.まあ晴天+緑地,てこれ以上ない気持ちいい組み合わせですよね.
TNさんはこの件に関してすごく謝ってくれました.旅なんてそんなものだし全然気にしてなかったけど,なんか逆に気を遣ってくれて申し訳ない気分になりました.スーパーいい人達だなホント.
宿でブログを書いていると,JMさんが来て「みんなでランチに行くんだけど・・・」と声をかけてくれたのでした.ただ他の人たちはもう宿の外に出てしまっていて,僕がPCをしまったり準備していると置いて行かれそうな雰囲気だったので,大丈夫だよ,と言ったら申し訳なさそうに走って追いかけていきました.JMさんもスーパーいい人でした.ただランチじゃなくてディナーだけどね!
TNさんたちは既に夕飯を食べてきた,とのことだったので仕方なく1人で適当な店に入って米線を注文.店員とうまくコミュニケーションが取れていない様子を見て,隣のテーブルで夕飯を食べていた女の子が英語で話しかけてきたのでした.
彼女はシンセンに住んでいるが,親戚がシャングリラで店を開いており,今回はそこに数ヶ月滞在して手伝いをしているそうです.
彼女は日本語を勉強したい,と言うので,僕は中国語を勉強したいと思っている,というと,今度一緒に勉強しよう! と言って連絡先を求めてきました.
中国でこのパターン何度かあるのですが,いつも困るんですよね.LINEやFacebookのアカウントはここでは価値が一切無く,微信のアカウントを持っていないと連絡先交換が出来ないんです.
JMさんともアカウント開設を試したのですが,すぐ受信できる電話番号が必要で開設を諦めたのでした.Facebookアカウント連携でサインアップも出来るのですが,中国国内からは無理のようでした(VPN利用でもダメだった・・・).
仕方ないので,彼女にはサブアカウントのメールアドレスを教えました.
微信のアカウント取っておけば良かった・・・
これから中国来る人は是非取ってから来てください.WeChatで検索すれば何とかなります.
***
宿に戻ると,例のごとくトランプがスタートしました.
今日はアメリカ人が旅立ってしまったので,外人は宿で僕だけでした.
宿のオーナが僕に何度も中国語で話しかけてくるので,TNさんに通訳を求めたが恥ずかしそうな顔して拒否された..仕方ないのでJMさんに聞いてみると,many cute girls, goto bed. という意味なんだとか.タダのスケベおやじじゃねーか!
そう言われてみると,1人スーパーかわいい子がいます.中国人女性,という僕らの想像からはかけ離れた女性(以下TAさん)が確かにそこにはいました.彼女は英語が一切話せなかったので,TNさん経由で少し話してみました.最初TAさんはハーフなのかなぁとか適当に思っていましたが,彼女はモンゴル系の少数民族と言ってました.モンゴル人女性はオーストラリアに滞在したときに何人か知り合いましたが,全員まさに朝青龍みたいな顔で,TAさんとは似ても似つかない.かといってTAさんがヨーロッパ系かと言われると,そうでもない.
よく考えれば今いるシャングリラのチベット系の女性達も,漢民族にくらべればだいぶ可愛い人が多い(あれ,失礼!?)気がしますw
そんな人たちが同じ中国語を話して,みんなで盛り上がってる..言語って改めてものすごいツールだな・・・と感じますね.
そんなTAさんやJMさん達数人は,明日からダプパ(稲城)を経由しチベットをバスで目指すとのこと.みんな個人旅行でこの宿で出会った人たちでしたが,方向が同じだったようで一緒に行くそうです.
僕も是非一緒に! と言いたいところなのですが,残念ながらそれは出来ません.稲城は四川省なのでまあ行けるのですが,その先のチベットは外国人は入境できません.
チベット入りするためにはまず中国ビザに加え,特殊なパーミットが必要で,それも行く地域によってはいくつも取得が要求されます.同時にバスなどで入境することは出来ず,空路か青蔵鉄道で入らないとなりません.さらにガイドも必須で常に付けなければならない・・・ 等と,色々な制約があるわけです.
JMさん達がうらやましい..
てか香港人もOKなんだな.まあそりゃそうか.
トランプも終盤にさしかかった頃,宿のオーナが大量の串焼きを持って来ました.誰かが頼んだ夜食のようですが,どう見ても23時に食うもんじゃない・・・ というか共有スペースに残っている人たちで食いきれる量じゃない・・・
仕方なく僕も食べましたが,これがまた辛い! なかなか減らず,結局半分くらいゴミ箱行きとなってしまいました.
うーむ..この状態で寝るのか・・・ 明日胃もたれしそう・・・
まあ移動日で飯食えるか微妙だし,丁度良いか..
0 件のコメント:
コメントを投稿