2015.08.28
たまにはこういう日もあって良いじゃない!
HRさんと少し散策したり,明日のバスチケットを買ったりしたくらいですかね今日は.
きょうのばんごはん
旧市街の夜景を眺めながら,ちょっと良い感じのレストランで食事.
これでも1人20千トマンくらい.そこまで高くない.
***
これまで話した旅人な方々の話を聞くと,みんなイランは綺麗で治安が良くて人も良い!素晴らしい場所だ! と言うのでした.
実際パキスタンを早々に切り上げ,飛行機まで使ってイラン入国に踏み切ったのも,そうした体験談からなるべくイランで時間を使いたいと考えたからでした.
そして実際に来てみると,想像以上にどこも綺麗で治安も良く,ホスピタリティにあふれた方々ばかりなのでした.
確かに東京のように高層ビルであふれるような場所はありません.いわゆる「金融センタ」のような場所もほとんどありません.そもそもコーランでは金融にも言及しており,金を貸して利ざやで稼ぐ的な事が禁止されています.こうした性質のためか,あるいは経済制裁の影響もあるのか,いわゆる大企業と言える物をあまり見かけません.
逆に町や地区という単位で商工業は発展していて,通りには無数の個人商店が存在しています.コンビニもファストフードもチェーン店は一切ありません.あるのはバザールばかり.
中国や東南アジアの一部は同じような状況でしたが,それらとイランが違うのはやはり社会基盤の充実度でした.イランはオイルマネーで潤っているのか,街はどこも綺麗に舗装整備され,水や電気などのインフラも安定して供給されています.記事を書いている時点ではイランに10日近くいますが,一度も停電していません.また水は水道だけでなく街中のモスクなどで飲み水が簡単に手に入るほど良く整備されています.これは砂漠の国だからこそ,のシステムなのかも知れません.シャワーからはどこもお湯が出ます.
公共交通機関もバスや地下鉄など整備されているし,道路も綺麗です.街中はとても治安が良く,至って平和です.男性なら普通に夜も出歩けます.街並みも日本みたいな場所が多いです.
あるイラン人は,イラク・アフガン・トルコ・パキスタンとHotな国々に囲まれながら,イランだけはとても平和だ,と自慢していました.これもその通りだと思います.まあ石油も取れて,マトモな軍隊がいて,核兵器もある! と来ればまあそうなるのかも知れませんが.
「先進国」の定義をよく分かっていませんが,社会インフラの充実度で言えばイランは巨大な先進国でした.発展の仕方は西欧のそれとは違っても,みんな豊かな生活を送っているように見えるし,ホームレスや物乞いのような人も(首都テヘランを含め)非常に少ないです.
ただいわゆる「経済規模」で言えばものすごい小さいだろうし,排他的なイスラムや根強い女性差別(区別)と言った意味では,なかなか「先進」ではないのかも知れないですね.
そして何よりイラクと国名が似てるので,多くの日本人がきっとイランとイラクの違いすら良く理解してないんでしょうね..悲劇!
そうした背景から,なんとなくイランって危険で貧しい国ていうイメージがついてるのかも.
ただテクノロジーやITといった分野ではどうしても大幅に遅れている感が否めません.そもそもインターネットもYahooやFacebookを始め,中国以上に規制が厳しくほとんどのウェブサイトが見れません.
イラン人はどうしているかというと,やはりみんなVPN使ってました! 普通にSkypeとか使ってる人もいました(Skypeも規制対象)
この辺はどうしてもアメリカが主導権を握ってしまったので,仕方ないと言えばそうなのかも知れないですね.大企業が少ない,というのも理由の1つかも.イラン人もみんな携帯電話持ってるんですけどね.. この辺りが今後どうなっていくかは注目ポイントかも知れません.
ちなみに,今でもMADE IN JAPANはハイクオリティと思ってくれているようで,日本製品を愛用してくれています.僕が日本人だと分かると,トヨタ!スズキ!ヤマハ!と言ってくれる人多数.
しかし街中でこんなに声かけられるってすごいですよね.まあ面白半分なんでしょうけど,中国?日本? なんて良く聞いてきます.Welcome to Iran!とか言ってくれる人も結構いました.人によってはお茶に誘ってくれたり,オヤツをくれたりしたこともあります.
パキスタンもそうでしたし,マレーシアもこれに通ずる所がありましたが,やはり宗教の影響なのでしょうか.
砂漠で通りすがりの困っている人を見捨てるとその人は死んでしまうので,見ず知らずの人でも出会った人には優しく接するのだ,と聞いた事があります.砂漠の国で発展したイスラム教ならではですね..それが彼らのホスピタリティの根底にある物なのかも知れません.
ただ一言でホスピタリティ!といっても日本の「おもてなし」とは大きく違うのが興味深いですね.彼らは自分の目の前にいる人に対しては全力でもてなそうとしますが,そうでない人に対しては特に気を遣うような事はありません.例えば「次の人が気持ちよく使えるようにトイレを綺麗に使おう!」みたいな発想はあまりないように見えます.逆に日本で通りすがりの外人観光客にご飯をおごったり家に招いたりすること無いですけどね.
そういうわけで,結局何が言いたいかというと「イランはとても良いところだよ!」ということです.皆さん是非旅行に来てください!
・・・しかし何だろう,イランに来てどうも退屈というか,面白くないというか,ゾクゾクとするような物無いんですよね.綺麗でインフラも整っていて,分からない事は誰かに聞けば熱心に教えてくれるし,旅行客にとってこれほど快適に旅できる場所はありません.でもかえって快適すぎるのか,あるいはどこか日本に街並みが似ているところがあるからか,建築物も綺麗だけどどれも同じで単調だからなのか,本当にすごく良いところだし色んな人に良くしてもらって,こんな事言うのも大変申し訳ないのだけど,正直イラン旅行に早くも「飽き」てきてしまったようです.
HRさんは極めてシンプルに,このモヤっとした感じを表現してくれました.
「イラン,パンチがないですよね!」
そうだ!! それだーーー!!
様々な物が安定していてパンチが無いんだ! いや旅にパンチを求めるのもアレなんですけどね・・・
多分今まで泥水シャワーを浴びたり,ハエの集っているご飯を平気で食べるような,そんな暮らしに逆に慣れてしまって,色んなセンサが鈍ってきてしまったようです.
ここに来て,緻密で繊細なイラン文化に僕のバカになったセンサはマトモに反応してくれないようでした.何と言う事だ・・・
イランでは2週間くらいのんびりと・・・なんて思ってましたが,少し先を急ごうかな.
HRさんは3日後に日本に帰るようなので,ヤズドはもう切り上げHRさんとエスファハーンに向かう事にしました.
イランのロンプラとか買っちゃってたけど..まあ仕方ない.
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